モンゴル、バヤンウルギーの岩絵群とはどんなものなのか。

モンゴルには、バヤンウルギー県に3箇所の岩絵群があり、世界遺産となっています。どういったもので、どんな価値があるのか、その魅力を探ってみます。長い年数をかけて出来上がったこの地域の岩絵群には、他の地域にはない特徴があります。それぞれの時代に生きていた人達の生活や周辺地域の環境等を探る際の貴重な遺産となっています。

モンゴルバヤンウルギーの岩絵群とは

モンゴルの首都ウランバートルから1700kmのところに、バヤンウルギー県があります。ここに3つの遺跡があり、岩絵が数千点にも及ぶ岩絵群を構成しています。紀元前11000年頃から西暦9世紀頃までの、およそ12000年にわたって描かれていると言われていますので、長い年数をかけて描かれたものです。描かれた時代によって描かれたものは違っており、更新世末期の岩絵群にはマンモスやダチョウなど、大型の動物が描かれています。完新世には、狩人の姿も描かれます。青銅器時代には道具を使った狩猟の様子や、動物を使った荷車なども描かれています。青銅器時代後期から鉄器時代にかけては、馬を使った遊牧生活の様子がわかります。時代とともに、岩絵群の技術も向上しており、7世紀から9世紀には騎馬像などが描かれています。

モンゴルバヤンウルギーの岩絵群の意味

モンゴルバヤンウルギーの岩絵群は、先史時代の北アジアの生活様式を表しています。生活様式は時代とともに変化していくため、それらが順序よく理解できるようにもなっています。したがって優れたものとして世界遺産に登録されました。描かれている岩絵群を見ると、狩猟による生活から牧畜をして生活を営んでいった変化が理解できます。青銅器時代後期から鉄器時代初期にかけては、馬を使った遊牧生活が確立していたことなどもわかります。他の地域にも岩絵が残る遺跡地はありますが、モンゴルのバヤンウルギー県の3地域のものは、規模や古さ、さらには保存の状態が良いことから優れた遺跡として評価されています。3つの遺跡は、35kmから40kmほど離れており、国境にも近いことから軍の管理下に置かれている地域もありますが、モンゴルという国にはこういった遺跡があることを知っておくと有意義です。

モンゴルのバヤンウルギー県には、世界遺産の岩絵群があります。長い年数を経て作られた岩絵には、他の地域にはない特徴があり、価値のあるものとして理解できます。古い時代にこの地域に生きた人達の手によって描かれた岩絵が長く残っている意味も貴重なものとして評価されています。この国の歴史と文化を知る際の魅力のある資料となっています。

関連記事