チャンパサック県の世界遺産「プラーサート・ワット・プー」

プラーサート・ワット・プーは、ラオス南部チャンパサック県のプー・カオ山の東部にあるヒンドゥー寺院の遺跡群であり、ラオス第2のユネスコの世界遺産です。プラーサート・ワット・プーは、1,000年以上前にクメール人によって建設されたプラーサート(宮殿)であり、プー・カオ山山頂がリンガに似ていることから神聖視されると共にワット(寺)が数多く建立されています。

2つ宗教が混在する世界遺産ワット・プー

ワット・プーは、カンボジアのアンコール・トムを建築したクメール王国のヒンドゥー教の大寺院跡であり、ビシュヌ神やシバ神などのヒンドゥー教の神だけでなく菩薩や如来などの仏教の石像や彫刻も混在しているラオスを代表する寺院です。ワット・プーは、聖なる池とされる「ノース・バライ」と「ミドル・バライ」からプー・カオ山に向かって参道がのびており、参道には最高神シバ神を象徴する「リンガ」が掲げられていました。ワット・プーは、聖なる池と同様に参道を南北に挟むように一対の祠堂があり、この祠堂はラオスの郵便切手のデザインに使用されています。一対の祠堂の西側には、インドラ神が乗る3個の頭を持つ象「アイラーヴァタ」が彫り込まれた軒を持つ主祠堂に続く長い階段があり、主祠堂からはチャンパサック県を南北に流れるメコン川を一望することができるだけでなく「シーパンドン」を遠望することができます。

約4,000の島が存在するシーパンドン

シーパンドンは、ラオス南部チャンパサック県を流れるメコン川の川幅が約14kmに達する中洲のことであり、シーパンドン最大面積を有するコーン島をはじめとして約4,000の島があるとされているエリアです。また、コーン島の下流にあるコーンパペンの滝やカワゴンドウもシーパンドンの見どころの1つです。コーン島は、南北約24km・東西約8kmのチャンパサック県最大の島であり、60,000人近い人口を抱える有人島です。コーン島は、フランス植民地時代から雄大な自然に囲まれた楽園とされ、現在も欧米人に人気のリゾート地となっています。コーンパペンの滝は、15m?21m程度の落差の滝が約10km?11kmにわたって無数の滝があり、世界で最も幅の広いとしてギネス世界記録に認定されている横長の滝です。

ワット・ポーは、過去のヒンドゥー寺院の遺跡群ではなく現在も信仰の対象かつチャンパサックの聖地であり、満月の夜やワット・プー祭りにはライトアップが行われ幻想的な姿を浮かび上がらせています。また、ミドル・バライの東側に併設されているワット・プー美術館では遺跡で発掘された仏像やレリーフなどの美術品を見学することができ、入場料には電気自動車での移動費が含まれています。

関連記事