近くて遠い国・北朝鮮で、首都の平壌を旅しよう

日本と北朝鮮は国交がないので、それぞれの国に大使館は設置されていません。しかし、中国を経由して日本人が北朝鮮を訪れ観光することは可能です。日本人の多くがその名前を知っているものの、詳しくは知らない首都・平壌。この記事では、北朝鮮への入国などのアクセス方法と、市内の観光スポットなどの見どころをお伝えします。

北朝鮮への入国と平壌へのアクセス方法

日本と北朝鮮に国交がないため、北朝鮮に入国する際には査証(観光ビザ)を中国経由で発給してもらう必要があります。個人が申し込んでも却下される可能性が高く、査証申請は北朝鮮とのコネクションがある旅行会社に代行してもらう必要があります。平壌空港へは、中国の北京・瀋陽・上海のいずれかの空港を経由し、高麗航空を利用して向かいます。日本から平壌へのフライトは、北京経由でおよそ6時間前後です(乗継に要する時間を含む)。なお、中国の丹東などから国際列車で北朝鮮に入国することも可能ですが、列車に乗っている時間だけで11時間以上かかります。

平壌の名所・観光地について

ニュース映像などで、北朝鮮建国の父である金日成と、その息子である金正日の巨大な像を見たことがある方は多いと思います。高さ約23mの2人の像は、平壌市の中心部にある丘陵地の万寿台にあり、日本人観光客も訪れることが出来ます。また、多くの軍事パレードが行われている金日成広場や、その正面にある人民大学習堂(北朝鮮の国立図書館)を訪れることもできます。同じく平壌中心部には、金日成の70歳の誕生日を記念して建てられた主体思想塔がそびえています。これは世界で最も高い石塔で、エレベーターで150メートルまで登れ、展望台からは平壌市内が一望できます。

平壌のグルメを楽しもう

かつては平壌を訪れた外国人観光客には作り置きの食事が出されることが多く、評判が良くありませんでした。しかしながら、2018年に開業した平壌大同江水産物食堂は、平壌の食事に関するイメージを一新させています。ここでは、いけすで泳ぐ魚介(サケやスッポンまでいます)の中から好きなものを選び、その場でさばいてもらい刺身や寿司・冷麺・スープなどで食することが出来ます。朝鮮南北首脳会談の夕食会が行われたことでも有名で、東洋・西洋料理を扱う複数のレストランがあり、新鮮な海鮮料理を味わえます。

日本人にとって、拉致やミサイル発射などの悪いニュースの印象が先行する国である北朝鮮。しかしながら、北朝鮮は思いのほか近代化された街並みが続き、40階以上ある高層ホテルが立ち並びます。近年では外国人カップルが、朝鮮の伝統文化にのっとった婚礼式典を体験できるイベントもあり、多くの観光客に注目されています。近くて遠い国ではありますが、ニュース映像だけではわからない異国を体験するのはいかがでしょうか。

関連記事