山水画の世界が広がる中国屈指の景観地区「桂林」

桂林は、中国南部広西チワン族自治区に位置する都市であり、秦の始皇帝が建設した「湘江」と「漓江」を結ぶ運河「霊渠」や桂林四湖など河川や湖が多く「水の都」とも呼ばれていた都市です。桂林は、幻想的な「山水画」のような景観が続く石灰岩浸食地域であり、漓江の流域には新20元札のデザインになっている「黄布倒影」や「象鼻山」などのなど世界的な観光名所が数多くある都市です。

幻想的な景観が続く漓江

漓江は、桂林市資源県猫児山を源流とする風光明媚な河川であり、流域には3,000m以上の石灰岩層が溶かされて形成された岩溶峰林が広がっています。象鼻山は、漓江から水を飲む象に見える標高200mの岩山であり、鼻と前足の間に形成される丸い洞から差し込んだ月光美しいことから「水月洞」とも呼ばれています。また、地下水路跡が目に見えることから「象眼岩」とも呼ばれている観光名所です。「黄布倒影」は、漓江の中でも比較的水深が浅く川底の黄色い石が透ける中国屈指の観光スポットですが、黄布倒影を気に入った7人の仙女が7つ石山になって留まったとされる伝説の地でもあります。漓江には、黄布倒影以外にも「九馬画山」や「興坪古鎮」などの絶景が数多くあります。

桂海碑林と栖霞穴が見どころの七星公園

桂海碑林は、七星公園は、市街地の東部の七星公園内にある中国4大碑林の1つであり、龍隠洞内には南北朝時代から現在までに220以上の石碑が残されている観光スポットです。桂海碑林には、著名な北宋時代の「元祐党籍碑」や清時代の梁章鉅の「五君詠」に加えて、清王朝の康熙帝や乾隆帝の観音像など興味深い作品が数多くあります。七星公園は、約135haの広大な敷地の桂林市最大の公園であり、「普陀山」や「月牙山」など7つの峰が北斗七星のように並んでいることでも知られる有名な観光スポットです。特に「七星岩」は、石灰岩層を地下水が100万年以上かけて普陀山を貫くように侵食した鍾乳洞「栖霞穴」であり、全長1.1kmの鍾乳洞内にはライトアップされている巨大な鍾乳石をはじめ鍾乳石の列柱や花などの見どころが数多くあります。

王城にそびえ立つ孤峰「独秀峰」

独秀峰は、王城の中央に単独でそびえ立つ中国国内でも珍しい孤峰であり、306段の階段を登り切った標高216mの頂上には六角形2階建ての独秀亭」が今も残されています。独秀峰は、朝日や夕陽に照らされると紫の龍袍をまとった皇帝に見えることから「紫金山とも呼ばれている神聖な孤峰であり、麓には明嘉靖時代の明恭恵王や明朝の藩王など複数の王族が訪れた「劉海洞」があります。また、独秀峰の麓には、純白の鍾乳石に覆われている「雪洞」に加え、「白龍池」や「東聖母池」などと並び桂林4大名池に数えられる「月牙池」もある観光スポットです。

桂林は、漓江と桃花江の合流する水の豊かな石灰岩浸食地域なので孤峰「独秀峰」や「栖霞穴」など中国屈指の観光スポットが数多くある地域であり、観光スポットが密集しているので効率的に観光することが可能な都市です。また、桂林の郊外には北京や武漢など複数の地域から直行便が就航している桂林両江国際空港があり、利便性の高い湘桂線も整備されている交通アクセスの良い観光都市です。

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