穏やかで美しい風景が見られるブータンのパロ
幸せの国と言われるブータン王国の西部に位置するパロは、国内で唯一の国際空港がある都市です。パロ谷に沿って穀倉地帯が広がっていて、のどかな景色が見られる場所ですが、古くからあるお寺や歴史的な要塞の廃墟などの観光名所もあります。今回はブータン旅行で訪れた際に楽しめる、パロの見どころについてご紹介します。
パロ最古のお寺のキチュ・ラカン寺院
ブータンでも最古の寺院の1つとされているのが、このキチュ・ラカン寺院で約7世紀ごろに建てられたと考えらえています。ここは、当時チベット一帯で昔から信仰されていた宗教の神を鎮めるために建立されたといういわれがあるお寺です。穏やかで落ち着きがあり、地元の人たちが多く訪れています。寺院の敷地内に入ったところには日本から贈られた桜の木が植えられています。また中庭には一年中実がなっているみかんの木があるので、訪れたときにはぜひ見てみましょう。旧堂にはいくつもの仏像が安置されているほか、新しいお堂にグル・リンポチェ像が祀られています。
絶景が見られるタクツァン僧院
タクツァン僧院はブータン観光の目玉ともなる聖地です。パロの断崖絶壁に建てられていて、独特の景観が見られる場所となっています。ここにはキチュ・ラカン寺院の新堂の本尊ともなっている、パドマサンバヴァとも呼ばれるグル・リンポチェがこの土地に虎に跨って舞い降りたという言い伝えもあります。そのことから、現地の言葉で「虎のねぐら」の意味があるタクツァンという名がつきました。最寄りの駐車場からは徒歩で登山をする必要があり、往復で5時間から6時間ほどかかりますが、それだけの価値がある絶景が待っています。
廃墟好きにおすすめのドゥゲ・ゾン
ブータンで唯一の国際空港・パロ空港から車で35分ほどの距離にあるドゥゲ・ゾンは、1647年にチベットとの戦争に勝利した記念に建てられた城ですが、役目は終えたあとには学校として使われたこともありました。しかし火事で燃えてしまい再建されないまま、今は廃墟となっています。パロの郊外に位置していて、周囲には民家もある田園地帯です。かつての姿とは変わってしまいましたが、趣ある姿を見ることができる場所となっています。見晴らしがよい場所にあり、周囲の風景を見るのにも適しています。
ブータンの空の玄関口となる国際空港もある街・パロの見どころや魅力についてご紹介しました。のどかな田園地帯が広がるこの地域には、美しい自然の風景と歴史的な建造物がいくつも残っています。伝統を守り、仏教を信仰している人々がいるこの地域は幸せの国・ブータンらしさのある雰囲気です。旅をするのなら、ぜひ訪れてみるとよいでしょう。