今注目の観光地!東南アジアの秘境ラオス・シェンクアン

東南アジア最後の秘境とも言われている小国ラオスは、欧米で「世界で一番行きたい国第1位」や「満足度の高い観光地第1位」に選ばれるなど注目を集めています。日本からは直行便も就航しておらず、情報自体が非常に少ない秘境ではありますが、ここではラオス北東部のシェンクアンにスポットを当ててみましたので、その魅力を確認してみましょう。

謎の遺跡群が広がるジャール平原

ラオスの首都ビエンチャンから車で10時間ほど離れた場所にシェンクアンはあります。このシェンクアン最大の見どころは400基を超える巨大な石壺が並ぶ「ジャール平原」で、2019年に世界文化遺産に登録されるなどラオス観光地の中で現在最も注目を集めています。酒壺や米壺、果ては棺など諸説ありますが、未だその用途が不明であることと、この石壺の材質がこの周辺で採れる石ではないということだけが現在分かっています。実際に目にして、誰がいつ何の目的で造ったのかに思いを募らせてみてはいかがでしょうか。

戦争の悲劇を伝えるムアン・クーンの遺跡群

シェンクアンを語るならば、1960~1970年代にかけて起こったベトナム戦争は避けて通れません。シェンクアンはベトナム国境に接しているため、戦争で甚大な被害を受けました。ムアン・クーンはシェンクアンの中心地として栄えた町でしたが、1968年の攻撃によってコロニアル様式の美しい街並みは破壊され廃墟が残る田舎町になってしまいました。中心部にあるワット・ピアワットの石仏は戦争の悲劇を後世に伝えるため爆撃で崩れた状態のまま保存されており、本堂も柱だけが残っています。

タム・ピウ洞窟とスプーンビレッジ

タム・ピウ洞窟はシェンクアンの中心地ポンサワンの東60キロの位置にあります。もともと戦争中の病院として使われていた洞窟で、1968年のロケット弾攻撃で400名以上の尊い一般市民の命が奪われました。現在は、その悲劇を後世に伝えるために慰霊碑と共に一般に公開されています。また、タム・ピウ洞窟近くには、爆弾から採れた鉄を原料としたスプーンを販売しているスプーンビレッジに立ち寄ることもできます。爆弾を溶かして工芸品へと作り直したアクセサリーの数々は、辛い過去を明るい未来に替えようとしているシェンクアンの人々の思いが詰まっています。

このように魅力がたっぷりのラオス・シェンクアンですが、ホテルや飲食店が集中しているポンサワンからはやや距離がありますので、現地旅行会社のツアーを利用するのがおすすめです。未だ謎に満ちているエリアではあるものの、世界文化遺産に登録されたことで今後世界中から観光客が増えることが想定されますので、この機会に是非足を運んでみてはいかがでしょうか。

関連記事