フィリピンミンダナオ島を代表するザンボアンガ市の遺稿と文化
ザンボアンガ市はフィリピン南部のミンダナオ島西端に位置する都市です。1936年にはすでに市制が施行されておりミンダナオ島の中でも早期から高度に都市化が進みました。「ミンダナオの誇り」の異名もあるほどで、市当局は観光誘致にあたり「アジアのラテン都市」のキャッチコピーを用いています。フィリピンでも最古の殖民都市といわれる所以です。
スペイン文化の影響を色濃く受けている
フィリピン南部のザンボアンガの都市の起源は、スペイン人宣教師が要塞を建築したことにあります。ザンボアンガの行政区画の面積は1480平米kmで、28の小島を含むなどフィリピン国内でも第6位の都市です。ザンボアンガは、ミンダナオ島西部の商業・貿易・教育や保健の中心地でした。ザンボアンガはミンダナオ氏まで最初のカトリック司教座が置かれた町であって、スペイン文化の影響を色濃く受けたことの理由の一つといえます。周囲の28の離島では漁業のほか、スキューバーダイビングなどのマリンスポーツが盛んです。
サンボアンガを代表するピラール要塞
ザンボアンガを代表する史跡が、ピラール要塞になります。スペインがフィリピンを植民地化していた1635年に、植民地政府に叛旗を翻したイスラム教徒の攻撃に備えるために建立されました。当時モロと呼ばれたイスラム教徒を出撃拠点で撃破するために、スペイン植民地政府がサンボアンガに要塞を建設したのが都市のはじまりです。幾度かの攻撃と撃退が繰り返されながらも持ちこたえたことがきっかけになり、現在では聖母マリアの祭壇がおかれ一大キリスト教の聖地となっているのです。
キリスト教とイスラム教、行事が盛んな町
ザンボアンガが位置するフィリピン南部ミンダナオ島では、イスラム教徒の比率が高いとされています。ザンボアンガ市は、スペインの植民地政府の影響が強いこともあり、キリスト教徒の数もミンダナオ島内部では相応の比率を占めます。いわばザンボアンガ市はキリスト教とイスラム教の宗教のモザイク都市といえます。そのような事情が関係して、それぞれの宗教にちなんだ行事が毎年開催されています。キリスト教の聖週間やプロレス・デ・マヨ、イスラム教のラマダン明けの大祭などが代表的です。
ザンボアンガはフィリピン南部ミンダナオ島の西部での中心都市です。スペイン植民地政府の端緒になった場所でもあり、ピラール要塞は当時の経緯を物語るザンボアンガを代表する歴史的遺稿といえます。ミンダナオ島ではイスラム教が多数を占めることも関係してキリスト教と。イスラム教の行事がそれぞれ開催されるなど異なる宗教が共存する都市でもあります。