日本統治下の建物が現存する北朝鮮の羅先を旅行する
羅先は北朝鮮の北東部に位置する特別市です。羅先と書いてラソンと発音しますが、韓国ではナソンと発音されます。日本海に面した港湾都市であり、市の東北部には豆満江が海に注いでいます。豆満江の対岸には中国の琿春市やロシアのハサンがあります。海に面した風光明媚な街で、夏には中国人の旅行客でに賑わいを見せています。
琵琶島海水浴場で海水浴を楽しむ
琵琶島海水浴場は、北朝鮮の中でも透明度の高い海水と手つかずの自然が残されたリゾートビーチです。風致地区で知られ羅先でも有名な観光スポットとして人気があります。夏場になると、ロシアや中国から多くの観光客が海水浴を楽しむために訪れます。琵琶島は、島ですが、朝鮮半島側と橋でつながっているため、市の中心部からバスに乗って向かうことが可能です。また、オットセイの生息地でも知られ、琵琶島遊覧船クルーズなども行われネイチャーウォッチングが好きな方にとっても見逃せない名所といえます。
エンペラーホテルでカジノを楽しむ
エンペラーホテルは、1998年に香港の香港エンペラーグループによって、約1億8000万ドルの資金を投じて設立された高級ホテルです。カジノが併設されており、特に中国人旅行客にとっては人気のあるスポットとして知られています。2004年に発生した延辺の地方政府幹部による公金横領事件の影響を受けて、一時はカジノが撤去されてしまいましたが、2007年に再開しています。なお、カジノは地元民の入館は禁止されており、ホテルやカジノの利用者の9割以上は中国人旅行客で占められているのが現状です。
日本統治時代の駅舎が残る羅津駅
北朝鮮では、日本統治下に開通した鉄道が今でも使用されています。羅先にある羅津駅の駅舎も1935年に開業した当時の趣を現在にまで残しています。駅舎の正面には金日成の肖像画が飾られているのが印象的です。平羅線と咸北線の終着駅であり、また引き込み線を通じて羅津港とつながっており、旅客および貨物量ともに多いため賑わいを見せる場所です。羅津駅とロシア連邦ハサンのハサン駅が2013年に接続が開始され、現在では鉄道にてロシアと北朝鮮間を移動することが可能となっています。
北朝鮮に関する情報を見聞きすることは非常に少ないですが、羅先はロシアと中国との経済的な結びつきが強く、両国からの多くの観光客で賑わいを見せる都市です。リゾート地としてカジノや海水浴を楽しめるだけでなく、日本統治下時代の古い建物を見学することもできます。羅津駅の駅舎以外にも1939年開業の旧羅津ヤマトホテルである南山旅館など数多くの古い建物は一見の価値ありです。一度は羅先を訪れてみてはいかがでしょうか。