東ティモールの首都ディリのレジスタンス博物館で独立の歴史にふれる

東南アジアの小国、東ティモールは長年にわたりポルトガルやインドネシアなど他国の占領下に置かれていましたが、住民のレジスタンス(抵抗運動)により2002年に悲願の独立を遂げました。首都のディリにあるレジスタンス博物館は、長年にわたり占領国のn圧政に苦しめられた悲しみや苦しみ、そんな中でも未来に希望を託す国民の姿が詰め込まれています。

他国の圧政に長く苦しみながらも悲願の独立

21世紀最初の独立国として知られる東ティモールは、東南アジアのティモール島東部に位置する人口約80万人の風光明媚な小国です。首都ディリにあるレジスタンス博物館はこの国を代表する観光スポットのひとつで、毎年多くの観光客が足を運んでいます。
東ティモールは16世紀ころからポルトガルに植民地として支配され、それは第2次世界大戦の時に日本軍が占領するまで続きました。その後、一旦は独立を果たしましたがすぐにインドネシアの侵攻を受け、強制的に併合されました。インドネシアの圧政に苦しめられ、1991年の「ディリ事件(サンタクルス大虐殺)」では、インドネシア国軍が数百人ものデモ参加者を殺害する大惨事となりました。この年に行われた国民投票で「独立」を選択。それから10年余りを経てようやく独立を果たすことができたのです。

レジスタンス博物館で歴史を深く学ぶ

ポルトガルの植民地時代を含めると、400年余り他国の占領下にあった東ティモールですが、レジスタンス博物館に収蔵されているのは、主にインドネシア統治時代の1970年以降のものが中心です。貴重な独立闘争の歴史が集められており、東ティモールを観光する際はぜひ一度足を運んでほしい場所です。現物の資料があまり残っていないのが残念ではありますが、写真パネルに説明文が添えられており、独立に向けた闘いの足跡を時系列でたどることができます。一時は日本の占領下に置かれていたこともあり、当時は日本の新聞でも何度も取り上げられましたので、それを記憶している人もいるのではないでしょうか。
レジスタンス博物館は白を基調としたシンプルな外観で、ディリ市内中心部に位置し、東ティモール国立大学に隣接しています。アクセスも良好です。

東ティモールは2002年に誕生したばかりの若い国で、近年は東南アジアの絶景スポットとして注目を集めています。思わずため息が出るほどの美しい風景が魅力ですが、その陰には強大な先進諸国や隣国によって苦しめられた長い歴史があります。観光に訪れた際は美しい景色とともに、ディリのレジスタンス博物館を訪れ、住民達の歩んできた道のりにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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