モルディブのマレにある伝統的なモスク、フクル・ミスキー
インド洋の島国であるモルディブ共和国は、リゾート地としても人気があります。モルディブの首都マレは旅行客が宿泊できるホテルも見つけやすい地域ですが、モルディブ国内はマレを中心にして7つの行政区に分けられています。モルディブで人気のある観光スポットは島内の各地にあるリゾートビーチですが、歴史的な建造物も各所に残されていて、マレにあるのがフクル・ミスキーという古いモスクです。
17世紀に建設されたフクル・ミスキー
フクル・ミスキーは、マレにある建物の中でも非常に古い時代の建物の一つです。フクル・ミスキーが建設されたのは1650年代のことで、当時のモルディブのスルタンだった、イブラヒムイスカンダル1世が統治していた時代に建築されました。モルディブにはもともと1153年に建設された古いモスクがありましたが、これは当時モルディブのスルタンがイスラム教に改宗した当時に建てられたものです。イブラヒムイスカンダル1世がフクル・ミスキーを建築したのは、従来のモスクは大きさが十分でなく、信徒の数に対応できなくなったからでした。インド洋の島国に浮かぶモスクらしく、フクル・ミスキーの建設には周囲で簡単に手に入る珊瑚が多く使用されています。建設された当時は茅葺きの屋根がつけられていましたが、現在はしっかりとした屋根がつけられています。
礼拝のために使用されるフクル・ミスキー
フクル・ミスキーにはいくつかの異なった呼び方があります。マレ・フライデー・モスクという名称が使われることもあれば、オールド・フライデー・モスクと呼ばれることもあります。フクル・ミスキーは西向きの方向に建築されていて、施設内にある礼拝用のカーペットはモスクの北西の角の方向に向けられているので、信徒はイスラム教の聖地であるメッカのある方向に向かい、お祈りをすることができます。一人の信徒が一ヶ所ずつスペースを占有する場合、一度に1372人の人が礼拝用カーペットを使用できます。モスク全体では金曜日の祈りの日に、1万人以上の人を収容できるスペースがあります。フクル・ミスキーの隣にはミナレットも建設されていますが、このミナレットも珊瑚を材料にして造られています。フクル・ミスキーと同じように17世紀に建設された古い建物です。
モルディブではリゾート地としても人気のあるインド洋の島国ですが、島の各地にあるリゾートビーチ以外に人気のある観光名所がフクル・ミスキーです。イスラム教のモスクであるこの建物は、17世紀に建設されたモルディブの中でも最も古いモスクです。島で入手しやすい珊瑚を主な材料にして建設されていて、ミナレットも隣に建設されています。