神秘的な雰囲気に満ちた仏歯寺を中心とする古都キャンディ
スリランカの中央部に位置する都市キャンディは、かつてこの地を治めたシンハラ王国最後の都が置かれていた歴史ある街として知られています。1983年には、街全体が世界遺産に登録されました。数々の文化財と、ペラデニヤ植物園をはじめとする豊かな自然に恵まれたこの街で、仏歯寺は特に有名な観光スポットとなっています。
仏歯寺は聖地キャンディを代表するスポット
仏歯寺は、キャンデイの街の中心部にある人造湖・キャンディ湖のほとりに建つ仏教寺院です。現地のシンハラ語ではダラダー・マーリガーワ寺院と言いますが、仏歯寺という名前はこのお寺に仏教の開祖である仏陀(お釈迦さま)の歯が納められていることによります。古い伝承によれば、仏陀が世を去った後その遺骨と歯はインド各地に分散しましたが、紀元4世紀に戦乱が起きたため、敵に奪われるのを避けるため当時のスリランカを支配していたシンハラ王朝に犬歯がもたらされたと言われています。現在、キャンディは仏教徒にとっての重要な聖地の1つとされ、仏歯寺には世界中からたくさんの巡礼者が訪れます。美しい彫刻や壁画に飾られた本堂をはじめ、真っ白な外壁に幾何学的な文様が彫り込まれた八角堂など、建築物の美しさでも知られています。
キャンデイを華麗に彩る仏歯師寺のお祭り
多様な民族文化を持つスリランカでは各地でさまざまな祭礼が行われていますが、キャンディにも有名なお祭りがあります。それが、エサラ・ペラヘラ祭りです。ペラヘラとは現地の言葉で「行列」を意味し、ペラヘラ祭りはスリランカ全土で行われていますが、キャンディのエサラ・ペラヘラ祭りはその中でも最大規模を誇ります。毎年7月ごろ(現地ではエサラの月という)、2週間にわたって行われるこのお祭りでは、仏歯寺のご神体である仏陀の歯が舎利容器に入れられ、象の背中に乗って行進します。華麗な装飾を施された象の群れが街中を練り歩く様子は、圧巻の一語に尽きます。エキゾチックな衣装に身を包んだダンサーや音楽隊のパレードもあります。お祭りの期間中は、スリランカ国内はもとより世界各地から大勢の観光客がキャンディを訪れます。
仏歯寺はキャンディのみならずスリランカ全土においても屈指の観光名所なので、当地を訪れた際はぜひとも見ておきたいスポットの1つです。特におすすめなのはエサラ・ペラヘラ祭りの期間中ですが、それ以外のシーズンでも、プージャと呼ばれるお祈りの時間には堂内が開放されて儀式の様子を見学できるので、華やかな中にも神秘的な魅力に触れることができます。