世界最大の木造建築物群が見どころの北京の故宮博物院

故宮は、中華人民共和国の首都北京市に現存する明朝と清朝の元王宮であり、ユネスコの世界遺産「北京と瀋陽の明・清王朝皇宮」を構成する世界最大の木造建築群です。故宮は、映画「ラスト・エンペラー」で知られる愛新覚羅溥儀が最後の皇帝であり、南北961m×東西753mの約22,000坪にもおよぶ広大な宮殿です。

北京故宮博物院の中心的存在の太和殿

太和殿は、中和殿と保和殿と合わせて三大殿と呼ばれ、北京市に位置する故宮博物院を構成する歴史的建造物です。太和殿は、明王朝と清王朝の歴代の皇帝の即位式や皇后の冊立式が執り行われた紫禁城の中心であり、永楽帝時代に奉天殿として建築された当初は東西95m×南北48mと現在より大きく宗教儀礼用の建物でした。太和殿は、東西64×南北37mと現在でも中国国内最大の木造建築物であり、玉座を囲む6本の「瀝粉蟠竜金柱」を含む72本の柱によって支えられています。玉座は、9頭の龍が彫り込まれた「九竜竜椅」の上方に乾隆帝宸筆の扁額「建極綏猷」と「軒轅鏡」が設置されていますが、地上に留まっている蟠竜が咥えている軒轅鏡は天命なく玉座についた者の頭上に落ちるとされていました。太和殿は、流麗な彫刻が所狭しと施された白大理石造の三重基壇上に建設されており、二重寄棟造の黄金瑠璃や細部まで施された極彩色の彫刻も見事です。

中国を象徴する平安門

天安門は、天安門は、映画「ラストエンペラー」で知られる愛新覚羅溥儀の居城であった故宮の入口であり、中国を象徴する建造物の1つです。平安門は、楼上で毛沢東が建国宣言を行ったことから現在も初代国家主席・毛沢東の肖像画が掲げられ、南側には南北880m×東西500mの広大な平安門広場が広がっています。天安門は、皇帝専用の通路中心に5つの通路がありますが、現在では皇帝専用の通路だけが通行可能です。ベンガラ色の天安門には、黄金色の瑠璃瓦がを使用した高さ33.7mの城楼があり、帝位を表す「九五之尊」に由来する「重檐歇山型式」の9つの城楼を持つ城門です。天安門からは、中国の国会に相当する人民大会堂や毛首席紀念堂など中国国内でも最重要な建物を平安門広場越しに見ることができ、門の上から天安門広場の撮影も許可されています。

故宮は、愛新覚羅溥儀の退去した翌年から古い宮殿として故宮と呼ばれ、世界世界遺産に登録されている世界最大の木造建築物群として入場制限がされるほどの人気の観光地です。故宮は、羽田国際空港や関西国際空港から直行便が就航されている北京国際空港から南西に約25kmの距離にあり、東直門や三元橋を結ぶ特急列車エアポート・エクスプレスで約30分なので交通アクセスも良い観光地です。

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