ディリにあるアルテ・モリスは東ティモール解放の象徴
ディリは東ティモールに位置しており、ディリ県に属する東ティモール最大級の都市です。ディリ周辺にはアルテ・モリスをはじめ、沢山の人気観光スポットが揃っています。博物館や大聖堂、市場や港などバラエティに富んだ見どころがあるのが魅力です。博物館では当地の歴史を学ぶことができ、ディリの魅力を直に感じることができます。そして、アルテ・モリスでは、現在の芸術や文化に触れられるわけです。
アルテ・モリスは前衛的な雰囲気の美術館
アルテ・モリスは前衛的な雰囲気が特徴の美術館で、国道1号線沿いに立地しています。当館はディリの北側に位置しており、独特な屋根の形をした建物が入り口になっています。これは東ティモール独特の建物で、市街地などでも見かける形状です。当館は広大な敷地を擁しており、入り口を抜けた先には広場が広がります。そこには抽象的作品が展示されており、非日常的な空間が演出されています。その他、大砲や石碑が配されており、作品同士がそれぞれの個性を発揮しているわけです。そして広場の北側に、美術館の本館が設置されるのが見えます。美術館の建物には長い階段があり、それも別世界への準備段階としての演出となります。当館は国道沿いの喧騒とは無縁の存在で、別世界の雰囲気が味わえるのが大きな魅力です。それゆえ、ディリ観光で疲れた際の癒しの場となります。
アルテ・モリス設立の意味
アルテ・モリスは、東ティモール独立後の2003年に設立されました。当施設は同国最初の美術学校でもあり、文化センターと芸術家協会の連合体ともなっています。当施設では毎日絵画の授業が行われており、12歳以上の生徒が中心に学んでいます。施設内に特別な展示スペースがないので、生徒たちの作品は建物の周辺に展示されます。その他、議会の会議場などでも作品を観ることができます。当施設は作品の展示会場というより、平和の象徴として果たす役割が大きいと言えます。というのも、東ティモールは長らくインドネシアの高圧的な占領下に置かれていたからです。そんな抑圧された民衆の想いを解放するために、アートという手段が採用されたわけです。中でも若者の支援が重要な国の課題であり、地元の若者に美術の授業を行っていることになります。
アルテ・モリスでは、生徒たちの作品を敷地内のギャラリーや高級ホテルで販売しています。その作品の多くはシュールなもので、国内の様々な地域の特徴を捉えているものです。また、プロの劇団ともコラボレーションしており、共同で芸術作品を生み出しているわけです。当施設のアートセンターは、ディリ近くにあるコモロ国立博物館の旧敷地内に設置されています。