コロニアル建築を見に行こう~スリランカ・コロンボの歴史の旅~
スリランカ最大の経済都市コロンボは、同国の旧首都であり、その郊外には現在の首都であるスリジャヤワルダナプラコッテがあります。そんなコロンボの中でもフォート地区は、ポルトガル・オランダ・イギリスの植民地時代の面影を残したコロニアル建築が集まる、歴史的な観光スポットです。ここではそんなコロニアル建築の魅力を紹介していきます。
植民地としてのコロンボの歴史
コロンボは多数の欧米列強の支配下に置かれてきた歴史を持っており、それ故に町は様々な文化がコロニアル建築として残っています。セイロン島(現スリランカ)にあったコーッテ王国には、まず16世紀初頭に香辛料交易を求めるポルトガル人が到来します。ポルトガル人たちはコロンボのムスリム人を追放し、要塞を建築しました。16世紀末にポルトガルはコーッテ王国を併合し、コロンボはポルトガル領セイロンの首都とされました。1658年にはオランダ人が来航します。オランダ・ポルトガル戦争の結果、セイロン島はオランダに攻略されます。コロンボは、オランダ領セイロンの首都となりました。18世紀にオランダの影響力が弱まった隙を突いて、セイロン島はイギリス東インド会社の支配下に置かれます。1802年には正式にイギリスの支配下となり、コロンボは今度はイギリス領セイロンの首都となりました。軍事拠点としての性格の強かったポルトガル、オランダ時代とは違って、イギリス統治下では都市開発が進められ、今日のコロンボの基礎が作られたのでした。
コロンボのコロニアル建築の魅力
数々の国から支配されてきたスリランカのコロンボには、様々な様式の建築物が存在します。「グランド・オリエンタル・ホテル」はコロンボでも歴史ある建築物で、石灰岩の一種である白亜で造られていることから、真っ白な外観が特徴です。オランダ植民地時代の病院を改装した「ダッチ・ホスピタル」には、カラフルな雑貨で有名なベアフットや、アーユルヴェーダ製品のスパセイロンなどが入っている、お洒落なスポットです。他にも、白と茶色のレンガ造りの「ランケム・プランテーション・ハウス」、赤い外壁と紋章の彫刻が目立つ「カーギルズ」などが目立ちます。植民地支配の歴史を訪ねて街歩きすると、多くの発見があることでしょう。また、フォート地区の隣のペター地区は、打って変わってローカルな雰囲気で、赤と白の模様が鮮やかなジャミ・ウル・アルファー・モスクなどをみることができます。
スリランカのコロンボのフォート地区には、植民地の主都としての歴史を持つコロンボの魅力があふれています。西洋風の歴史的な建造物の数々、すなわちコロニアル建築の街並みは、そんな様々な文化が鮮烈に表れた、異国情緒たっぷりの観光地です。隣り合うペター地区と合わせて、スリランカ旅行の際には押さえておきたいポイントですね。