ピンクシティと呼ばれるインド屈指の世界遺産「ジャイプール市街」

ジャイプールは、インド北西部ラージャスターン州の州都であり、市庁舎となっているシティパレスや10kmを超える城壁などの彩色から「ピンクシティ」と呼ばれている都市です。ジャイプールには、月の宮殿「チャンドラ・マハル」や風の宮殿「ハワー・マハル」に加えて、「アンベール城」や「ジャイガール城塞」など歴史的建造物が数多くある観光都市です。

旧藩王の宮殿「シティパレス」

シティパレスは、旧市街地の中心部に位置する旧藩王宮殿であり、現在では建物の一部が市庁舎や博物館として一般公開しているインドを代表する観光スポットです。シティパレスは、月の宮殿「チャンドラ・マハル」や風の宮殿「ハワー・マハル」に加えて、天文台「ジャンタル・マンタル」やハレムだった「アナンド・マハル」などがあります。チャンドラ・マハルは、7年間の歳月をかけて建設され、中庭を囲む回廊には「孔雀の扉」をはじめとする4つの装飾扉が設置されている宮殿です。ハワー・マハルは、953の窓とチャトリと呼ばれる透かし彫りが施された女性のための宮殿であり、ピンク色の砂岩を使用した5階建ての建物です。

世界遺産「アンベール城」

アンベール城は、ジャイプールの旧市街地郊外に位置する宮殿であり、世界遺産「ラージャスターンの丘陵城塞群」の構成遺産の1つです。アンベール城は、「ガネーシャ・ポール」と「シーシュ・マハル」が世界的に有名であり、特にガネーシャ・ポールは世界で最も美しい門と称されています。ガネーシャ・ポールは、門全体に細密なアラベスク模様のモザイク装飾が施されているだけでなく、2階以上の壁面にチャトリと呼ばれる透かし彫りが施されている門です。シーシュ・マハルは、無数のガラスを使用するミラーワークが施されたモザイク装飾やフレスコ画が有名であり、無数のガラスが眩いばかりに輝くことから「鏡の間」とも呼ばれているインド屈指の観光スポットです。

マンサガル湖に浮かぶ「ジャール・マハル」

ジャール・マハルは、シティパレスやハワー・マハルと同様にピンク色の砂岩で建設されたアンベール王国の宮殿の1つですが、1596年に飢饉回避のために造られたマン・サガル湖に沈んでしまいました。以降、上部だけが湖上に見えることから水の宮殿」と呼ばれ、乾季と雨季で印象が大きく異なる観光スポットです。ジャール・マハルは、5階建てのラージプート様式の宮殿であり、均整のとれたベンガル型のチャトリや八角形のシャトリスが美しいとされていますが、宮殿内を見学することができないのが残念な観光スポットです。

ジャイプールは、「ジャイプール市街」と「ラージャスターンの丘陵城塞群」の2つの世界遺産を1度に観光できるインド屈指の観光都市とされ、旧市街地には人口300万人を超える新市街地が広がっているので宿泊施設や生活利便施設も充実している観光都市です。また、市街地南部にジャイプール国際空港が整備されているので、インド各地への交通アクセスも良い観光都市です。

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