パキスタン北部ペシャワールは旧市街には魅力的スポットが
パキスタン北部に位置するペシャワール市は、ハイバル・パフトゥンハー州の州都でトライバルエリア(連邦直轄部族地域)の中心地です。かつてはガンダーラ地域の交易地として反映しクシャーナ朝の時代にはカニシカ王の冬宮、プルシャプラとも呼ばれていた時代があります。新市街と旧市街に分かれており、地元多数派のパシュトゥーン人独自の生活様式を見ることが出来ます。
アフガニスタン国境近くの交易の都市
パキスタンのペシャワールは、アフガニスタン国境に近く西にカイバル峠が位置しており、民族的にもパシュトゥン人が多数派を占めていることから交易が盛んで国際都市の一面を持ちます。同時にかねてのシルクロード貿易が盛んなりし時代から、現在に続く地元のバザールもペシャワールならではの魅力です。首都イスラマバードからも自動車から3時間かあ3時間半ほどで道路整備も進み、国内主要都市はもちろん、アブダビやドバイなど湾岸諸国の主要都市とも国際便が就航するなど、人の往来が盛んな地域です。
ペシャワール博物館と旧市街のバザール
ペシャワールの新市街を代表する観桜スポットが、ペシャワール博物館です。旧宗主国のイギリスのヴィクトリア様式を踏襲した建築物で、ガンダアーラ美術に関しては世界トップクラスの収蔵数を誇ります。1階にはガンダーラ地方で採掘された仏教美術のコレクション、2階には各地の民族文化や衣装の展示を目にすることが出来ます。一方で旧市街を代表するのは、地元バザールです。金物屋や宝石商・野菜市場から両替商など、まるで迷路のように数多くの店舗が軒を連ね、活力にあふれるバザーです。
マハバット・ハーンモスクなど
パキスタンのペシャワールには、かつて地域の領主であったマハバット・ハーンが建立したモスクがあります。旧市街に位置しており、1630年ムガール皇帝が統治していた時代に建設されました。元来はラホールの著明なモスクを小型化して建立されたもので、現在のモスクは1989年に改修後のもので、南北にはマドラサ(宗教学校)も併設します。ペシャワールから車で1時間ほどの距離には、タフティバイ遺跡があります。紀元後1世紀から7世紀ほどの年代の仏教寺院遺跡ですが、パキスタン国内でのユネスコの世界遺産に登録されているのです。
パキスタンのペシャワールは、かつてはシルクロード交易が盛んでしたが、現在でもパキスタン国内外と空路で結ばれるなど経済活動が盛んです。経済の拠点であったことから文化交流も盛んで、現在にその面影を伝える観光スポットが残されています。新市街にはヴィクトリア様式の博物館、旧市街にはマハバット・ハーンモスクやバザールなど国際色豊かな文化を垣間見ることが出来る都市です。