アユタヤ歴史公園には数多くの王宮跡や寺院跡がある

アユタヤ歴史公園は、タイのアユタヤに位置するアユタヤ王朝の遺跡群です。同王朝は14世紀半ばから18世紀半ばにかけて隆盛を誇りました。同歴史公園はチャオプラヤ-川やパーサック川、ロップリー川に囲まれた中洲に広がっています。アユタヤ王朝は外敵からの侵入を防ぐため、街中心部の周囲に運河を張り巡らしたわけです。公園内には数多くの王宮跡や寺院跡が残っています。

王家の遺灰が納められた仏塔

「ワット・マハタート」は、王朝3代目となるボーロマ・ラーチャーティラート1世が建てた寺院です。14世紀後半に完成され、王朝にとって重要な意味がありました。中央には高さ50メートルの仏塔が建造されたと言われます。敷地内には数多くの仏像が配されていましたが、ビルマ軍によって殆ど首を斬られています。中には木に取り込まれた格好の仏像もあります。アユタヤ歴史公園で最も見どころとなるのが、「ワット・プラ・シー・サンペット」です。これは王宮の敷地内にある、最も重要な寺院となっていました。建造されたのは15世紀半ばで、ボロマ・トライ・ロカ・ナート王の時代となります。同寺院は王室専用で、王室の儀式や礼拝がなされていました。加えて、王家の遺灰なども納められています。寺院のシンボルとなるストゥーパ(仏塔)には、3人の王の遺灰があるとされます。

国内最大級のブロンズ仏像

アユタヤ歴史公園にある「ワット・ラチャブラナ」は、8代目の王となるボロマ・ラーチャティラート二世が建造した寺院です。建物は丸みを帯びたクメール式で、20世紀半ばの修復で多くの宝物が見つかっています。それらは現在、タイのチャオ・サン・プラヤー国立博物館に収蔵・展示されています。敷地中央に高い仏塔が聳えており、美しい建物が間近に迫ります。内部には階段が設置されており、上部に上ることが可能です。仏塔にはガルダが彫られており、これはタイ・バンコクの王宮にも見られる鳥王となります。「ワット・モンコン・ホビット」には、高さ12メートル以上の仏像が設置されています。これはタイ国内で最大級のブロンズ仏像となります。建造されたのは15世紀半ばから17世紀初頭の間とされます。当仏像はかつて王宮の東にありましたが、後に西側に移設されました。

アユタヤ歴史公園にある王宮は復元されたもので、元の形は殆ど残っていません。それでも寺院などは当時の面影を残しており、悠久の昔に想いを馳せることが出来ます。同公園はタイ観光の人気スポットになっており、何度も訪れる観光客が少なくありません。公園内では象に乗れるアトラクションもあり、人気の名所ともなっています。公園内を象に乗って遊覧すれば、王朝貴族になったような気分が味わえるものです。

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