パキスタン北部のカラコルム山脈近くの秘境フンザの魅力

カラコルム山脈はパキスタン・インド・中国の3国の国境沿いに位置しますが、ヒマラヤ山脈軍の西端に立地しています。急峻な山並みが広がり、氷河で閉ざされた秘境のイメージが強いかもしれません。ところがパキスタン北部のカラコルム山脈ふもとに位置するフンザは、映画「風の谷のナウシカ」の世界観をリアルに再現したかのようで、人気のスポットです。

標高2400Mの山並みが広がる秘境フンザ

カラコルム山脈を間近に控えた秘境フンザは、パキスタンの首都イスラマバードから北へ進むこと700KM、中国国境クンジュラブ峠にも近い場所にあります。周囲の7000M級の標高をもつカラコルム山脈に周囲を囲まれた形の盆地を形成しているのが、フンザ地区です。周囲の山々は雪や石などの荒涼とした風景が広がっているのとは対照的に、緑豊かな果樹園や点在するオアシスなどの牧歌的風景はまさに絵画的印象を与えるもので、「理想郷」(シャングリラ)と評されることもあります。感慨施設にはカラコルム山脈からの雪解け水を使用し、巧みに散水・果樹栽培できるように整えられた段々畑が広がっています。秘境フンザを象徴するポプラ並木やりんごやアーモンド・モモ・杏などの果樹の花が咲き誇るさまはまさに、「風の谷のナウシカ」の世界観そのものです。

四季折々の自然の変遷を楽しめる絶景

世界中で多くの人を魅了してきたパキスタン北部の秘境フンザに感化された方は数多く、2003年に公開された宮本輝原作の「草原の騎士」の撮影地にも択ばれているほどです。周囲には7000M級の山々を目の当たりにできることから、フンザは登山家にとっては著明なベースキャンプを構える場所であり、ふもとまではトレッキングルートとしても人気です。そんなフンザに魅了される大きな理由は、冬場の過酷な環境からは想像もできないほど年間を通じて四季の変化を体感できることにあります。特に毎年3月下旬から4月上旬にかけて白やピンクの果樹園の木々が咲き零れるさまは、まさに桃源郷の表現がピッタリで毎年数多くの日本人も訪れます。9月からは次第に秋の気配が近づき、ポプラや果樹園の木々が紅葉し青い空と白い山は、見事なコントラストを描きます。

パキスタンや中国・インドの国境付近に広がるカラコルム山脈には、フンザがあります。豊かな自然とそこに息づく住民の営為が調和することでフンザは、まさに秘境で訪問する人々をして理想郷との印象を与えてきました。巧みに整備された果樹園の段々畑とカラコルム山脈の雄渾な自然は、映画の世界観にも影響を与えたほどで、毎年多くの日本人も訪れます。

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