北京を訪れる際は必ず訪れたい。天安門は歴史の証人
中国の首都北京市にある天安門が、その名称で呼ばれるようになったのは十七世紀の清の時代です。時代の荒波の中で消滅や再建を繰り返しつつ現在の姿に至ります。天安門は、中国のシンボル的な存在として国章にデザインされているほどです。それだけに毎年多くの観光客が国内外から訪れ、旧王宮紫禁城跡に建つ故宮博物院では、歴代皇帝によって収集された歴史的文化財を拝観することができます。
天安門広場周辺は、見どころがたくさん
紅色が目に鮮やかな天安門は二階建ての楼閣で、中華人民共和国の成立を宣言した毛沢東の肖像画が正面で出迎えます。門の前には東西南北それぞれ数百メートルに及ぶ天安門広場が広がり、門の東西には中国国家博物館や人民大会堂など、北京市のみならず中国全土の中枢をなす建造物を目にすることができます。天安門広場では国家的行事が催されることがあり、かつ歴史的な問題に多々直面した場所だけに、観光客へのチェックが厳しく、持参すべきモノとそうでないモノがあるので、事前に確認しておくことが重要です。中国国家博物館では中国古代からの資料を観覧でき、中国の歴史に興味がある人だけでなく、授業で耳にした時代の宝物に出会えるはずです。全国人民代表大会が開かれる政治の中心である人民大会堂も、実は内部の観覧が可能な施設です。ニュースでしか見たことがない会場を直接見れば、ニュースの感じ方が変わることでしょう。
天安門は故宮への入口
紫禁城は故宮とも称され、北京市にある世界遺産の一つです。世界最大の宮殿といわれるほどスケールの大きさは訪れる人々を圧倒します。もちろん天安門は現代の中国にとって大きな意味を持つ建造物ですが、荘厳な門をいくつかぐぐり、広大な前庭に立ち故宮を正面に眺めれば、皇帝を見上げた人々の息遣いや動きが脳裏に浮かぶことでしょう。映画を見たことがある人ならば、いっそう鮮明に姿が浮かぶはずです。故宮の中心に存在する建造物こそが、中国最大の木造建築太和殿です。太和殿を支える基台は大理石で、三十メートルを超える高さに息をのまずにいられません。太和殿に歩を進めると、皇帝の玉座を見ることができます。絢爛豪華な装飾の中で、ひっそりと佇む玉座は過去の遺物のようでもあり、今尚皇帝らの魂が存在しているかのようでもあります。
中国北京市に存在する天安門は、まさに中国のシンボルであり歴史の証人でもあります。北京を訪れる際は、天安門を抜きに観光を語れません。世界遺産故宮を初め国家博物館でいにしえの中国に出会い、そして人民大会堂で現代の政治の息吹を感じることができます。時代が交錯する建造物天安門は、訪れる人々を圧倒し、中国の見方を変えてくれることでしょう。