タイの世界遺産「スコタイとその周辺の歴史的都市群」
スコタイは、首都バンコクの北約440kmに位置するタイ族最初の王朝の古都であり、現在では世界遺産「スコタイとその周辺の歴史的都市群」に登録されている地域です。世界遺産「スコタイとその周辺の歴史的都市群」は、スコタイだけでなく「スコタイ歴史公園」と「シーサッチャナーライ歴史公園」および「カムペーンペット歴史公園」が登録されており、タイの歴史や伝統芸術に触れることができます。
タイ最古の都跡「スコタイ歴史公園」
スコタイ歴史公園は、旧市街地「ムアン・カウ」に位置するタイ族最古の王朝の遺跡が見学できる歴史公園であり、「ワット・マハータート」や「ワット・トラパングーン」などの30を超える寺院遺跡に加え「ラームカムヘーン像」や「ラムカムヘーン国立博物館」などの施設も併設されています。ワット・マハータートは、スコタイ王朝を開いたシーインタラーティットによって建設したとされ、200m四方周壁で囲まれていた寺院です。この寺院には、仏像が安置されていた本堂や仏堂以外に、チェンマイ王朝のラーンナー様式やモン・ハリプンチャイ様式だけでなくクメール様式など複数の様式の仏塔185基が残されています。
世界遺産「カムペーンペット歴史公園」
カムペーンペット歴史公園は、カムペーンペット県に位置する世界遺産であり、カムペーンペットは金剛の城壁の名が表すように異民族に対する備えとして建設された都市です。カムペーンペット歴史公園には、城壁内の「ワット・プラケーオ」や「ワット・プラタート」に加え、城壁外にも「ワット・プラノーム」や「ワット・プラシーイリヤボート」などの遺跡が数多く残されています。プラーケオ寺院は、宮殿に隣接していた王族専用の宗教施設であり、過去にはエメラルド仏が安置されていたとする伝承も残されています。現在では、建物の屋根や外壁は全て消失している状態ですが、当時の仏像を見ることができる遺跡です。
世界遺産「シーサッチャナーライ歴史公園」
シーサッチャナーライ歴史公園は、スコタイ県北部に位置するシーサッチャナーライに位置する世界遺産であり、「ワット・プラシーラッタナーマハータート」や「ワット・チェディーチェットテーオ」など10を超える遺跡があります。ワット?プラシーラッタナーマハータートは、スコタイ王朝第6代リタイ王によって1357年に建設され、海や水の精とされる「アプサラー」のレリーフが目をひく正門から東西250m×50mかつ南北2,200mにわたって周壁で囲まれている大規模な寺院遺跡です。プラプッタチンナラートは、第9代マハータンマラーチャー4世が鋳造した高さ3.5mの坐像であり、国内で最も美しい仏像かつ勝利の王として信仰を集めています。
スコタイは、タイ最古の王朝の都として200年以上栄えた古都であり、旧市街地全体が世界遺産「スコタイとその周辺の歴史的都市群」に登録されている地域です。また、スコタイは、アユタヤ王朝やクメール王朝など異なる王朝の支配を受けてきたことから様々な建築様式が遺跡に混在しており、一つの遺跡を巡っただけでも複数の仏像や芸術に出会うことができます。