歴史と自然をゆったり満喫できるブータンの古都プナカ
国民の総幸福量を重要視するブータンは、伝統文化や環境への配慮、一人ひとりの幸福を考える国として有名です。プナカ県は、長い間ブータン国の首都として役割を果たし、チベット仏教に根差す文化や慣習を守ってきました。ここでは、美しい川やヒマラヤ山脈に囲まれ歴史が息づく人気の観光エリア、プナカについて紹介します。
川と山脈が美しいブータンの古都プナカ
プナカは、ブータンの現在の首都ティンプーが通年の首都となるまで、およそ300年の間、冬の都として栄えていました。標高1,300mの位置にあり、ティンプーより1,000mも低く暖冬であるため、今でも偉い僧侶の方たちは冬になるとティンプーから移動し生活をおくる習慣があります。バナナが生い茂り、花が咲き乱れる亜熱帯性の気候で、水田では米の二期作もおこなわれる気候です。ポ・チュ川とモチュ川という2つの川が合流してできるプナツァン・チュ川に沿って広がる田園地帯と、歴史的な建造物が魅力です。
ブータン伝統建築美の集大成プナカ・ゾン
多くの観光客が世界中から訪れるプナカ・ゾンは、1637年にブータンを統一した建国の祖が、ポ・チュ川とモ・チュ川の合流点に建設した建築美の美しい城です。行政機関と寺院が入った建物で、かつては要塞としての機能も果たしていました。首都ティンプーからは、車で約2時間半ほどの場所にあります。水害などの被害を受けて何度も改修を重ねて、現在の姿にとなっているのが特徴です。ブータンの伝統的な建築でつくられた橋を渡って中に入りますが、外国人観光客の場合は、入口でビザの提示が求められる場合があります。肌の露出を避ける等、服装にはいくつかの注意てんがあることも把握しておきましょう。
プナカとティンプーの間にあるドチュラ峠
プナカとティンプーを移動する際、必ず通過するのがドチュラ峠です。標高3,150mの高さがあり、北の方角に高くそびえるヒマラヤ山脈を一望することができます。この峠から見られる7,000m級の山々は、まさに絶景です。カフェやレストラン、ホテルがあるので、宿泊をしたりコーヒー休憩をたのしむこともできます。また、108基の仏塔が円陣を組んで建っているのも特徴です。インドとの国境地帯で起こった紛争の際に、先代国王の一番上野王妃によって2004年に建てられたものです。
雄大な自然と歴史を堪能できるプナカは、多くの外国人観光客が訪れる観光エリアです。ブータンの伝統的な建築美が周辺の風景と融合しており、他では見ることのできない光景を愉しむことができます。人々の幸福実現を目指す国ブータンの慣習や文化を体感しながら、ゆったりとした時間を過ごしたい人におすすめのエリアと言えるでしょう。