ムンバイの世界遺産「エローラ石窟群」とおすすめスポット
インドの首都デリーよりも広大な面積・人口を有するムンバイは、都心部一帯は高層ビルが建ち並ぶ近代都市ですが、少しあしをのばすと豊かな自然が今も残っている景勝地です。この景勝地・ボリバリ国立公園内には紀元前1世紀から10世紀の間に建造された「エローラ石窟群」があります。ここではこの「エローラ石窟群」と、周辺のおすすめ観光地をピックアップして紹介していきます。
ヒンドゥー教の起源がわかるエローラ石窟群
ムンバイから南西へ40kmの位置にあるボリバリ国立公園内にある「エローラ石窟群」は、2005年に国立公園と共に世界遺産に登録されました。世界最大級の石窟群で、約10km続く洞窟の内部には109もの石窟と計2,500体にのぼる古代仏教の仏像が安置されているのが特徴です。この仏像はヒンドゥー教の最高神であるシヴァやその妻・カーリーなどに酷似しているものが多く、ヒンドゥー教発祥の地でもあります。「エローラ石窟群」の入り口には付属歴史資料館があり、1980年から今も続いている発掘調査で出土した遺物を展示しています。石窟の内部にある祭壇で見つかったパピルスという書物の原本もあり、ヒンドゥー教の起源を知ることも可能です。「エローラ石窟群」を見学するためのツアーバスがムンバイから出ており、車で約1時間で赴くことができます。
世界最大の駅・チャトラパティシヴァージ駅
総面積が約420ヘクタールのインド国営鉄道が運営している「チャトラパティシヴァージ駅」は、世界最大規模を誇っている駅で1997年にギネス登録されました。ムンバイのランドマークとして名高く、1878年に建設されたビクトリア様式の駅舎となっているのが特徴です。当時のインドを植民地にしていたイギリスの手によって建設され、ヴィクトリア女王の即位50年を祝した記念建造物になっています。バッキンガム宮殿を模しており、「アジアのヴァッキンガム」という異名で呼ばれています。計40本のコンコースがあり、インド国内を走るすべての路線がこの「チャトラパティシヴァージ駅」に乗り入れているターミナル駅です。2008年に世界文化遺産にも指定されましたが、現在も活用されている駅舎が世界遺産になったのはこの駅が初めてです。
以上、インドのムンバイにある世界遺産「エローラ石窟群」とおすすめスポットの紹介でした。インドは首都デリーよりも、ムンバイの方が観光地として名高い場所です。貴重な歴史遺産が残された都市であり、それを大切に保存しているからこそ世界各国からたくさんの観光客が訪れると言えます。そして、古代仏教とヒンドゥー教の起源といった学術的な観光を楽しめる土地がムンバイです。