ガネーシャ門やシーシュ・マハルが有名なジャイプールの世界遺産アンベール城

アンベール城は、インド北西部に位置するジャイプール旧市街から北東に約11km離れた城郭都市アンベールに現存する城であり、世界遺産「ラジャスタンの丘陵城塞群」の構成遺産の1つです。アンベール城は、ラージプート=ムガル宮廷様式建築の傑作と評される丘陵城塞であり、インド国内だけでなく世界で最も美しいとされる「ガネーシャ門」や鏡装飾が美しい「シーシュ・マハル」などインド屈指の観光スポットです。

世界一美しいと称されるガネーシャ門

ガネーシャ門は、アンベール城の北東部に位置する正門「スラージ門」を潜り「ライオン門」と「ディワネ・アーム」の南側にあり、王族のプライベートスペースへの入口となっている門です。ガネーシャ門は、中央ゲート上方に片方の牙が折れた象の頭を持つインドの神「ガネーシャ」のモザイク画があるとともに壁面全てが精密なモザイクや艶やかなフレスコ画で彩られている一方で、内部は白を基調と内装色に黒の縁取りが美しいシンプルなデザインと対照的です。城塞都市アンベールは、盛夏には最高気温50℃を超える日も少なくないことから2階部分の壁面にはアラベスク模様の透かし彫りが施されており、ジャイプールの王族を迎える際には透かし彫りから花が降らされていました。また、ガネーシャ門上部の「ソーハグ・マンディールでは皇子や皇女の遊び場であったとされ、ディワネ・アーム側からでは想像できないほど大きな開放空間が広がっています。

輝くモザイク画が美しいシーシュ・マハル

シーシュ・マハルは、八芒星を模った通路を中心にイスラム調のアラベスク模様が美しい「モンスーン庭園」の東側に位置する部屋であり、「鏡の間」や「勝利の間」と呼ばれています。シーシュ・マハルは、モンスーン庭園のある西側から見ると前面に噴水を配し、5つのアーチを持つシンプルなデザインの建造物です。しかし、シーシュ・マハルは、無数のガラスを埋め込んだ「ミラーワーク」と呼ばれるモザイク画やフレスコ画で壁だけでなく天井まで埋め尽くされ、ピンクシティーとも呼ばれているジャイプールの強い日差しに照り返され銀色に輝いているように見えます。シーシュ・マハルは、モザイク画やフレスコ画に紛れて場違いとも言える鮮やかな色彩のステンドグラスがはめ込まれている場所もあり、窓際にはベッドが設置されていることもある部屋です。

アンベール城は、全長10kmにもおよぶ赤い城壁に囲まれているピンクシティー「ジャイプール」の郊外にあり、世界一美しい「ガネーシャ門」や「シーシュ・マハル」など観光客を魅了する観光スポットです。アンベール城は、ラージャスターンインド最大のインディラ・ガンディー国際空港で乗り換えてジャイプール空港向かい、ジャイプール空港から電車で40分程度と交通の便が良い観光地です。

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