インドが誇る世界遺産を3つも有する古都「デリー」

デリーは、インド北部に位置する世界都市の1つであり、12世紀以降各王朝の首都だったことから宮殿や寺院などの数多くの遺跡が残されている古都です。デリーには、「デリーのフマーユーン廟」と「デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群」「赤い城の建造物群」のインドを代表する3つの世界遺産だけでなく、「アークシャルダーム寺院」や「ロータス寺院」など数多くの観光スポットがあります。

世界遺産「デリーのフマーユーン廟」

フマーユーン廟は、不遇の人生を歩んだムガール帝国第2代皇帝フマーユーンの霊廟であり、皇后ハージ・ベーグムが貴重な大理石と赤砂岩を贅沢に使用し9年もの歳月をかけて建設したタージ・マハルの原型とされる美しい建造物です。フマーユーン廟は、総大理石の高さ38mのドームを中心にしたシンメトリーデザインが美しい建造物ですが、従来の霊廟にはなかった4分庭園とも呼ばれるチャハルバーグ様式庭園を建設しているインド亜大陸初の建造物です。大イーワンと壁面には、レンガにタイルや石を施していく一般的な様式ではなく、赤砂岩の純白の大理石を嵌め込む象嵌が施されています。

デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群

デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群は、ヒンドゥー教やジャイナ教の寺院の石材を転用したクトゥブ・ミナールに加えて、錆びない鉄柱「チャンドラヴァルマンの柱」や「アライ・ミナール」など複数の構成遺産があります。アライ・ミナールは、完成当初は高さ100m程度と推測されているクトゥブ・ミナールに比べて基底部の直径が10m以上太く、完成していたら150mに達していたと考えられている未完のミナレットです。クトゥブ・ミナールは、クワットゥル・イスラーム・モスクに併設された世界最高のミナレットであり、過去には378段の階段で先端部まで見学することができた塔です。

世界遺産「赤い城の建造物群」

赤い城の建造物群は、赤い城と呼ばれる「デリー城」を中心に第6代皇帝アウラングゼーブが建造した「真珠のモスク」や謁見に使用された「ディワーニ・カース」などの行政施設に加え、赤い城西側の「ラホール門」やラホールに連結しているアーケード「チャッタ・チョウク」や戦争記念博物館に利用されている「ナッカル・カーナ」などの施設もあります。デリー城は、タージ・マハルと同様にムガール帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが建造した城であり、フマーユーン廟と同様に赤砂岩を使用したことから赤い城と呼ばれています。

デリーには、インドを代表する世界遺産が3つもある都市であり、インディラ・ガンディー国際空港や地下鉄などの公共交通機関が整備されている都市です。デリーは、世界的ブランドの宿泊施設も数多くあるので観光しやすい都市であり、旧市街地には、現在も3輪タクシーや象のタクシーなどインドの文化を今も体験できるレトロ感を堪能できます。

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